ブルセラ症 {brucellosis}

[動物の症状]
無症状、不妊、流産


[人の症状]
無症状、発熱

[感染経路]
経口

[敵を知る]
ブルセラ症はイヌ以外に、家畜でも重要な共通感染症です。ヒツジやヤギのブルセラ症(ヒトではマルタ熱という)、ウシのブルセラ症、ブタのブルセラ症、イヌのブルセラ症の順で病原性が強いです 。
イヌのブルセラ症がヒトに感染しても、症状が出ないこともあります。症状が出るときは1〜3週間(長いときは数ヶ月)後に熱が出たりする風邪のような症状を繰り返し、2〜3週間(長いときは数ヶ月)続きます。自然に治ることもありますが、症状が重くなることもあります。変なことを口走ったりするので、ノイローゼなどと間違われることが多いそうです。

[病原体データ]
ブルセラ症の原因菌は、イヌとヒトで問題のイヌ流産菌以外に、ヒツジ、ヤギとヒトで問題のマルタ熱菌、家畜とヒトで問題のウシ流産菌、ブタ流産菌などがあります。病原性はマルタ熱菌が一番強く、その次はウシ流産菌で家畜伝染病予防法において徹底した検査のため最近は発生していません、ブタ流産菌も同様に発生していません、これら家畜のブルセラ症は酪農家や獣医師に集団発生をしやすく商業病的な疾患といわれています。
イヌ流産菌のヒトへの病原性はブルセラ病では一番弱いといわれていますが、周期的な発熱や疲労感があります。
イヌ流産菌は、他のブルセラ症の原因菌に比べてヒトへ感染する力がそれほど強い菌ではありません。水道水で洗い流すだけで、かなりの菌が死んでしまいます。
しかし、一度感染すると菌は細胞の中に入りこんでしまい、薬が効きにくくなります。
全国的な調査によりますとイヌの3〜4%がこの菌を持っていると言われています。イヌでは症状が出ないことが多いので、不妊や出産予定日より約10日前の流産などの症状で気がつくケースがほとんどです。症状が出ていないイヌでも、菌をばらまいていることがあるので、注意が必要です。

[症例]
ミニチュア・ダックスフンドの女の子、6才。今まで何度も元気な赤ちゃんを産んでいます。でも、去年は交配せても赤ちゃんができなかったし、今回は出産の前に赤ちゃんが亡くなってしまいました。飼い主さんがおかしいなと思って動物病院で検査をしたところ、ブルセラ症であることがわかりました。交配させた繁殖場に聞いたところ、やはりそこでも赤ちゃんができない子がいたそうで、原因を調査中です。
交配に使用したイヌは他のイヌと隔離して、お薬を飲ませています。幸い、飼い主さんも先生もブルセラ症にはかかりませんでした。

[予防]
ワンちゃんをかけあわせる前には、男の子も女の子もブルセラ症の検査をしたほうがいいでしょう。
イヌ流産菌は唾液、尿、胎盤の中にも入っています。キスや食べ物の口移しはおすすめできません。また、尿や胎盤を素手で触らないようにしましょう。
万が一ワンちゃんがブルセラ症にかかっていることがわかったら、動物病院で治療してもらいます。ある種の抗生剤(※4)が効きますが、ブルセラ菌は細胞の中に入ってしまう特徴があり、長期にお薬を飲ませ続けることになります。

[治療]
避妊や去勢手術と抗生物質の長期投与
感染注意!
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